集落の設計

集落の設計

環境設計

本来の自然環境を活かした、この地にしかない風景づくり

ここ星野エリアの自然環境を最大限に活かしたい、という思いから設計がスタートしました。 明治時代、軽井沢にはカラマツなどの針葉樹が植林されましたが、国設野鳥の森に隣接する星野には、カラマツと落葉広葉樹がバランスよく生育しています。ミズナラ、モミジ、ハルニレなどの樹々が描く美しい木漏れ陽は、谷の集落をデザインする上で欠かせない要素でした。浅間山を源とする清流を中心に据え、木漏れ日に満ちた散策路、樹々の影を映す水辺、それらをつなぐ小さな橋を配しました。
集落内は、車一台がようやく通れるほどの小路を巡らせました。ゆるやかな丘を上り下りしたり、入り組んだ路地に迷い込んだり…目に映る風景がくるくると変化します。敷地内に点在するリラックスポイントをたどりながら、散策をお楽しみください。この場所で何百年もの時を刻んできた、樹、水、石たちが、穏やかに語りかけてきます。

長谷川浩己

有限会社オンサイト
計画設計事務所
代表取締役
長谷川浩己

建築設計

日本でも初めての試み、一日中滞在したくなる部屋づくり

日本人は屋内に外界を取り入れることに長けています。また、軽井沢の人々は旧来、テラスで森の息吹を感じ、新たな発想力を充電してきました。そこで、屋内にいながら四季を感じとれるように、建物を分棟型にして窓を二方、三方にとりました。加えて、屋内と外界の中間領域を設定するという日本家屋の伝統手法を見習い、広いテラスか広縁を設け、つながりを持たせたのです。「いつまでも風景を眺めていたくなる場所」の提供は重要課題でした。日本人にとってのくつろぎは何かを検証し、ソファの座り心地や目線の位置など検討を重ねました。客室は「眠る部屋」という既存概念を「滞在する部屋」に転換する試みが、一つの形になったと自負しています。
水辺、山の手、路地…それぞれの魅力を引き出すため、客室の設計バリエーションは20を超えました。同じ部屋は二つとありません。点在する建物を路地が結び、集落を形成しています。こうした試みは日本初、世界でも稀だと思います。

東利恵

東環境 建築研究所
代表取締役
東利恵

照明設計

明るさを削ぎ落とし、居心地の良い「暗さ」をつくる

「豊かなリゾートにふさわしい明かり」。その実現に向け、建築設計者がどんな光をイメージしているか聴き取る一方、図面上でゲストと同じ目線に立ち客室を歩いてみました。そして、明るさ=居心地よさではないという結論に至ったのです。前方はまぶしさを感じさせないように黒く仕上げ、後方に光を反射させるなど、思い切ったプランを提案しました。
 谷の集落が最も情緒豊かに変化するのは、夕陽が落ちる頃。リビングからテラスを通して外を眺めると、残照が漂う空の下に少しずつ明かりがともり始め、やがて光が闇を漂い始める。夜が濃くなるごとに、昼とは異なる風景が浮き彫りになってきます。集落を構成するひとつひとつの明かりが風景を紡ぎ出し、人の息遣いすら感じさせる。見上げれば、満天の星空が迫ります。明るさを削ぎ落とした結果、生まれた暗さと光が、人-建築-自然を融合させるのです。その生きた風景は、集落の滞在に深みを与えてくれると信じています。

武石正宣

ICE 都市環境照明研究所
代表取締役
武石正宣

EIMY

自給自足率70%の「気持ち良さ」を共有するリゾートづくり

リゾートの根底にあるのが自給自足のライフスタイル「EIMY=Energy In My Yard」。自然保護活動やメッセージというよりも、自分で消費するエネルギーを自分の場所でまかなえたら気持ちいい、というシンプルな発想です。EIMYの歴史は古く、日本初の自家発電の宿として大正時代から水力発電を行っていました。
見渡してみると風力、太陽光など、水力の他にも多様な自然エネルギーが存在しましたが、足元を見下ろしたとき、豊かな地熱が潜んでいました。3本の井戸で地熱を取り出すという、日本初の本格システムを始動したところ、欧米標準の10倍の熱交換効率を実現できました。風楼など建築上の工夫も組み合わせ、化石燃料を一切使うことなく約70%のエネルギーを自給自足しています。
冷房で喉を痛めることなく清涼な空気を吸い、二酸化炭素を排出することのない床暖房で暖まる。その心地良さをゲストと分かち合いたいと願っています。

集落を愉しむ

ページの先頭へ